「チャラ男!
ナンパ男!」

『は?』




マジで恥ずかしい事をサラリと言いやがって!


あたしばっかりドキドキしてんじゃん…!



悔しい!







「キザ!ナルシスト!」



ビュンビュンと風が痛いくらいに当たる。



それでもあたしは恐怖の中で壱へ文句を言う。




怖すぎーっ!!








『キザでもナルシストでもねぇし。』

「いや!壱は正真正銘、キザでナルシスト!」




怖いよぅ…(泣)







「下り坂はいつになったら終わるのー!?」

『永遠に終わらなかったらどうする?』



壱がクスッと笑ったのが分かった。






「意味分かんない!!」




その時…。






ギュッ




「っ!?」




『…これなら怖くないだろ?』






壱が更に手を強く握ってきた。




~~っ。



何ドキドキしてんだろ、あたし。





あたし…こんな感覚、前にもあった。




覚えてる。






こんなに胸がドキドキして、誰かの事で頭が一杯になるの。




………それは……










『美羽!着いた!』

「へっ!?嘘!!」





壱が遠くを指差した。






「あそこ!?」
『おう♪』





壱は更にペダルをこぐスピードを上げた。