和也は料理が上手だった。
健ちゃんは食器洗いが上手だった。
三人で食べるご飯は美味しかった。
どうしてこうなったのか
和也と付き合いながら
健ちゃんと寝てしまった私が悪い。
「そう。私が悪い」
自分に言い聞かすようにまた声を出し寂しくなる。
これも罰だ。
お茶碗のご飯を素早く口に入れて、立ち上がり片付ける。
ひとり分なのですぐ終わる。
テーブルを拭いていたら、部屋の隅にあるダンボールに目がいった。
一昨日
家から送られて来たダンボール。
未開封。
和也に見つかったら怒られる。
野菜が入ってない事を祈ろう。
大好きなお母さんから送って来た荷物。
中身は野菜とか
カップめんとかスナック菓子
たまにアンパンマンのポチ袋に入った5000円札。
サランラップや洗剤
コンビニで買える物ばかりの生活用品。
家に寄りつかず電話もしない
悪い娘との繋がる荷物。
お母さんの愛情。
『たまに帰って来なさい』って言いながら
私の気持ちもわかるから
じっくり時間をかけて
私と和解するのを待っているのだろう。
大好きなんだよ。お母さん。