なんか
急にイラっときたかも。
「僕の人生は暗かったです。山岸さんみたいに明るく楽しくなかったです」
苦しそうにデブは言うけれど
お前に俺の何がわかる?
俺の人生楽しいってか?
大学中退させられて
親に金せびられて
仕事じゃ朝まで女の機嫌とりーの
ライバル達とNo.1の座を争い―の
きっつい仕事してんだぞ!
「黙れデブ。鍋に頭ブチ込むぞ?」
「千尋さんを下さい」
デブはまた土下座する。
「俺は千尋の父親じゃない!
とっとと猫バス乗って森に帰れ!」
こいつと楽しく食事なんて冗談じゃない。
また一発ケリでも入れたろーかって意気込んでたら
「お腹の子供も僕の子です。
万が一違ってもいいんです。僕が幸せにします。
僕は貯金もあります。役所ではモテませんが信頼はされてます。平凡な幸せですが、千尋さんと子供を大切にします」
って
言われて
意気込みがシュルシュルと消えてゆく。
平凡な幸せ
社会的な地位もある
まともな名刺を持ってる
こいつには言えるけど
俺には言えない。



