きっと上手くいく


はぁ?
ええっ?はぁあ?

だからどうして泣く?

グツグツといい音を出す鍋に同調し、デブがヒクヒク泣いていた。

その様子に驚いてると
千尋がジッと俺を見つめる。

俺?また俺?
俺が泣かせた?

俺は声も出ず
ただ口をパクパクさせながら千尋に
『俺は何も悪くない』アピ全開にするけれど
千尋はこれ見よがしに溜め息をし
うつろな目をして俺を見る。

俺は何もマズい発言してないぞ!
デブの被害妄想だろうが!

ズルい……って何だよ!!
すぐ泣くお前がズルいだろう!!

「顔がいいと髪は何色でも似合いますもん。ハゲでも似合うでしょう」

「あ、スキンヘッドも色気あって似合いそう」
場を明るくしようと企んだのか
千尋は元気にそう言った。

もろ逆効果だったけど。

「顔がいいと自分に自信も出るし、誰にもバカにされないし、女の子とたくさん話ができる」

デブは眼鏡を外し
汗か涙かわからないけど
溢れる液体を持参のハンカチで拭いていた。

「山岸さんは料理も上手……僕に無い物ばかり持っている。
だから千尋ちゃんを手放して下さい。
山岸さんは顔がいいからすぐ他の女の子が見つかります。
僕はきっと千尋ちゃんを逃したら、一生独身です。
こんな僕を好きになってくれて優しくしてくれて
エッチもしてくれた千尋ちゃんを、僕は離したくないんです」


お前
どさくさに紛れて
とんでもない発言してないか?