秋の日の夕暮時
憂鬱な出勤時間が近づいてきたけど
出勤時間より
もっと憂鬱な出来事が目の前にあった。
「和也にとって【悪い話】と、私にとって【いい話】があるの」
『ただいま』も言わず
頬を染め千尋は俺の前に立つ。
「なんだよ」
【悪い話】発言にビビりながら、読みかけのジャンプから目を離さずマンガに逃げる俺。
「子供ができたの」
こんな時
どんな返事をすりゃいいんだ?
山岸 和也 26歳
ホストクラブで働く俺は考える。
目の前に立つのは
湯浅 千尋 23歳
近所のホカ弁屋でバイト勤務
2DKの部屋で同棲中。
ヤル事ヤッてるから
出来るのもアリだけど
え?
俺失敗した?
いつの時の?
子供って
マズイだろうが。