木下は、あっという間に私が残したピラフを平らげた。

「細い体して、よく食うよなー」

同じくらい細い中山が、木下に言う。

「う~っ。もう、食えねぇ」

満腹になった木下が、お腹をさすっている。

「二人分食べたら苦しいよね」

美砂が、木下にそう言った後、あの目でちらりと私を見た。

私が食べなかったせいだって言いたいの?

これも、美砂が実際に言ったわけじゃない……。