ボーリングのあと、そのまま同じ建物内にあるゲームセンターへと流れていった。
ボーリング場もそうだったけど、ここも五月蝿い。
何か会話がしたかったら、まるでこそこそと耳打ちでもするようにしなきゃ聞こえやしない。
田口と美砂は、脳トレゲームにはまり。
中山は、地味に一人でコインゲームを始めた。
木下の姿は……見当たらない。
どこに行ったんだろう?
別にいいけど……。
私は、少し離れた自販機が三台並ぶ前に立つ。
最後ボーリングで興奮したせいで、喉が渇いていたんだ。
渇きを癒そうと小銭を入れる。
フルーツ系の甘いものや、炭酸類にコーヒー。
色々あったけど、それらには目もくれず。
迷わず好きなお茶のボタンを押した。
缶の出てくる音は、あまりにも五月蝿い周囲の音に呑み込まれて消える。



