二日前 17時23分11秒 鉢形地区 田宮家
田宮は家の前に置いてある回覧板に手を伸ばす。
[29年ぶりの儀式]
<日にち>4月4日
<場所>鉢形公民館
<時間>深夜0時
みなさまの参加をお待ちしております。

こうかかれた紙がはさんであった。
「29年というと私はまだ生まれてない、一体どんな儀式なんだ」
ふとふと頭に浮かぶ喜代の事を考え、家に入る。
「…ただいま」
すると父親がいた。
「おかえり、一郎、悪いが一つ気をつけてくれ、今度の儀式は喜代ちゃんが生贄となり行われる、絶対にじゃまをしてはならない。」
「はっ?! 何言ってんだ親父、喜代は…」
そのとき頭が急に痛くなる。
「うっ、これは…」
外からとんでもなく大音量の戦中に避難勧告で流れていたSIRENが鳴り響く。
「うわーー」