ドレスに着替えながら、金丸さんにハワード王子について聞いてみた。
「そうですね…。ハワード王子は、せっかちで少々自己主張の強い方で…あぁ、気分屋な面もお持ちです」
「気分屋?」
「えぇ。数日前と後では言っていることが違うなんてことは度々ありますよ」
「ふーん…」
なるほどね~。
私の休暇は王子様の気分屋次第か。
なんか納得いかない。
「ふぅ、出来ました。お綺麗ですよ」
コルセットをはめて、ドレスのリボンを結んでくれた金丸さんは完成と共に微笑んだ。
綺麗。
お世辞だと分かっていても嬉しくなってしまう言葉だ。
「ありがとうございます」
滅多に言われることもないだろう言葉を有り難く受け取ることにした。
「ねぇ、金丸さん。私、何をすればいいかなぁ?」
「何をと言いますと…?」
「今日はお休みだけど、何すればいいか分からなくって。何かお手伝いできることはある?このお屋敷のためになることとか…」
「アオがそんなことなさる必要はありませんよ」
「…でも…。なんか悔しくってね。昨日、ハワード王子にボロクソ言われたでしょー?だから、見直してもらいたいっていうか…見返してやりたいの!」
「……。では、屋敷を散歩してみたらどうですか?」
「えー…。そんなのは後でも出来るじゃない」
「散歩なされば屋敷全体のことが分かるようになります。視野が広くなります。ハワード王子を見返したいのであれば、ご自分でその方法を探してみてはいかがですか?」
「…うーん…。わかった…。じゃあ散歩してみるね」
「はい」
そうだね。
自分で発見する方が楽しそうだもの。
鏡で髪を整えて
「よし!」
気合いを声に出して、私は部屋を出た。

