世界で一番怖い人

「離してください」

私の顔の目の前で真中さんの顔が止まった

私は目を合わさないように訴えた。


「嫌だ。美奈ちゃん逃げちゃうじゃん」

押し返したくても、びくともしない。


「美奈ちゃんいい匂い。食べちゃいたい」


怖い、力がはいらない。


真中さんが私の首筋に顔をうずめた。


その瞬間、全身に鳥肌がたった。