“ごめん”

メールボックスを開くととどいている港からのメール。

「ふんっ」

知らないっ

私は港じゃなきゃダメなのに、港はそうじゃないんだ。

それが悔しいよ…

コンッ



コンッ

ふいに窓に何かがぶつかる音がする。

なんで…

「港…」

カーテンを開けて見てみると向かい側の窓から顔をだす港がいた。

昔はよくここで遅くまで話してたりして、お母さんに起こられたっけ。

「メール、なんで無視すんの」

「…港が誰でもいいみたいな言い方するからじゃん」
「誰でも…言い訳じゃなかった…」
えー…?

「お前といると…楽しくて…ついパシっちゃったり、なんか思ってることと逆のこと言ってたり…」

はぁとため息をつく港。

「それって、つまり?」

やばい。にやける。

ここまで聞いたら調子のッちゃうよ。

「つまり…だから」

うんうん。

窓越しの港の顔は赤くそまっている。


「俺の彼女に…してやってもいいけど?」

「…」

まあ、いいか。今はまだうまく言えなくても。
港がそばにいてくれるなら。


「俺の彼女になってもいいよ?」

その言葉が不器用な君からの精一杯の愛の証。

だけど、たとえずっと先になってもちゃんと言ってね?

“好きだよ”ってー…