学校が終わり、一緒に下校する。

同じ道。同じ景色の中を二人で歩いてる。

それがこんなに嬉しいなんて。

「ねぇ、港」
「ん?」
「港って私のことが好きで付き合おっていってくれたんだよね?」

「…」

無言でうつむいて、ただ黙々と歩いている港。

ん…?

あれ?てっきり笑って『うん。そうだよ』っていってくれると思ってたのに…

ここまできて私の不安はだんだんと膨らんでいく。

あれ?そういえば、私港に“好き”っていわれたんじゃなかったっけ。

私たち、付き合って1カ月たつのに、デートもしてないや…

もしかして…もしかして…?

「港…幼なじみ同士に憧れてただけじゃ…ないよね?」

嫌な予感がする。
それも、最高に。

港は昔から、年上のお姉さんと付き合ったり、教師と付き合ったり、結構マニアな方へいっていた。
そして、飽きたら次へ。

だから今回も…ただ興味があっただけ、とかじゃないよね?

「ごめん」
「え?」

「幼なじみ同士ってなんか萌えるじゃん?だから最初汐留のこと嫌いじゃないし、ガキのころから一緒にいたから、付き合ってっていったんだ」

なにが萌えるだ。
いっそお前の頭が燃え尽きてしまえ。

何?それ…。

じゃあ、幼なじみなら誰でもいいんじゃん。

「別れる!!港のアホッ!」

もう知らない!

後ろから、港の私を呼ぶ声が聞こえたけど、振り返らなかった。