やさしい手のひら・中編【完結】

東京に来て健太と会った時以来、今日で2回目の繁華街へ来た

居酒屋に入り、小上がりを予約していたみたいで、私達は案内された席まで行った

私は田村さんの隣りに座り、

「何飲む?」

ビールを飲みたい気持ちをグッと我慢し

「ウーロン茶お願いします」

仕事なので、酔っ払うことも出来ないので今日、お酒は飲んじゃいけない

飲み物が揃いみんなで「お疲れさま」の乾杯をし、私は田村さんとこれからのスケジュールの話をしていた

「遅れて、すいません」

新くんとマネージャーらしき人が来て、

「新くんはここよ」

そう言って田村さんが立ち上がった

「た、田村さん」

「主役同士座ってね」

田村さんは違う場所に行ってしまい、私の隣には新くんが来てしまった

「飲んでないの?」

新くんは私を見て、すぐにメニューに視線を移した

「うん」

呟くような声で返事をして、私はウーロン茶を飲んでいたら

突然、今回の撮影で一番偉い小西さんが話だした

「今回の撮影ですが、かなり評判も良く、新くんと亜美ちゃんには引き続き違う仕事もお願いしようと思っています」

「えっ?」

私は口をポカンと開けて、「また?」という気持ちで新くんを見た

「任せて下さい」

断ると思っていたのに、私の意見も聞かず即答で答えてしまった

「ちょっと、勝手に…」

「仕事もらえるだけ幸せだろ」

私がしゃべっているのに、最後までしゃべらせてくれなかった。新くんの言ったことは正しいことで、仕事をもらえるだけ確かにありがたいことだと思った