「私達、帰るね」

私は由里の腕を持ち帰ろうとした時、

「亜美・・・俺は・・」

「ごめんね、凌。私をいっぱい憎んで」

「憎めるもんなら憎みてぇよ。それが出来ないんだ・・・」

凌の顔が見れない。きっと悲しい顔をしている。凌の気持ちが痛いほどわかる

でもはっきり言わないと凌が前に進めない。そう思い

「私、健太と別れないし、もう凌の所には戻らない」

私は凌の目をしっかり見て言った。この間凌にひどいことをしたのに、今また私は凌にひどいことをしている。だから私を嫌ってほしい

「俺はこの先、地元には帰らない。亜美と同じ東京にずっといるから」

そう言って、凌と坂下は喫茶店を出て行った。私はまたその場に座り呆然としていた

由里と優香もまた椅子に戻り、

「亜美、しっかり」

優香に励まされ、

「亜美、健太くんがいるんでしょ」

凌に戻ろうとかそういう気持ちはなかったが、このまま私を待ち続ける凌が前に進めないことを心配だった