あのマンションにはやっぱり由里を帰すことは出来ない。由里が坂下に連絡出来る訳がないので、どうにかしなければ、と思っていた

ツアーが始まる前に由里を引っ越しさせたい

明日、健太と祐介くんに相談しよう

いろいろ考えながら、シャワーを浴び、寝ることにした

ガチャ

玄関のドアが開く音が聞こえた

「誰?」

私はベットから降りリビングの方へ行ってみた

「健太!」

「わりぃ、起こした?」

「今、寝ようかなって思ってベットに入ったとこ。どうしたの、連絡もしないで来て?」

「早く終わったから会いたくて。寝てたらこっそり隣で寝てようかなって」

「びっくりしたじゃん」

「寝てると思って連絡しなかった」

でも嬉しかった

「ご飯食べたの?」

「食べた」

「明日何時から仕事?」

「明日はオフになった」

「ほんと?」

「嬉しい?」

「うん」

健太と会って初めての休みですごく嬉しかった

「由里ちゃん、退院なんだろ。俺も行くわ」

「優香もいるよ」

「じゃ、迎えに行ってから病院だな」

「そうだね」

明日、健太が仕事に行かなくていいことが嬉しくて仕方がなかった