バスに乗りいつもの停留所で降り、自宅まで歩いていた

夜空を見上げてみた。東京に来てからまだ星を見ていない

東京では星が見れないのかな

そんなことを考えながらエレベーターに乗り、財布からカードキーを出し、中へ入った

真っ先にテレビのスイッチを入れ、ソファにくつろいだ

もう4月も終わり、ゴールデンウィークに入る。健太もツアーでいなくなるため、予定のない休みになりそうだ

♪♪♪~

かすかに携帯の音が聞こえ、鞄の中にあることを思い出し、急いで鞄から携帯を取り出した

「祐介くんだ」

ボタンを押し

「もしもし」

「亜美ちゃん?」

「うん」

「さっき由里から電話来て、迎えに来るなって言うんだよね」

「それは祐介くんの仕事のことを気にして…」

「うん、みたいだね。それでさ、由里をあそこに帰すことは出来ないから、俺の家に連れて来てくれないかな?」

祐介くんの言う通り、坂下がいるかもしれないマンションへ帰すことは出来ない

「由里、カードキー持ってるからさ」

「うん、わかった。そうするね」

「俺、家で待ってるから」

「仕事じゃないの?休むことにしたんだ。由里には内緒ね」

「うん。じゃあ連れて行くね」

「頼むね。あ、健太に変わる?今ね、休憩してるよ」

「ううん、いい」

「そっか。じゃあ明日ね」

「うん」

携帯を切った