「俺ら帰るわ」

由里のことは祐介くんに任せ、今日は帰ることにした

「優香ちゃん、送るから」

「ありがとうございます」

健太が優香に言った。私達は健太の車に乗って優香の家まで行き、優香のアパートの前で降ろした

「じゃあ、亜美明日学校でね」

「うん。今日はありがと」

「うん」

私は窓から顔を出し、優香に手を振った

「俺、これから仕事に戻らないとだめなんだ」

「うん・・」

「亜美心配だから、今日うちに泊まれ」

「大丈夫だよ」

「いいから」

「由里ちゃんの彼氏が来るかもしれねぇだろ」

「うん・・・」

「朝方、帰って来るから、朝亜美んち寄って、着替えて短大行けばいいだろ」

「でも疲れてるのに・・・」

健太は私のことを心配してくれていた

「亜美が短大行ってる間ちゃんと寝るし」

「うん、わかった」

私は健太の家の前で降り、健太の部屋に入った

部屋に入りすぐベランダの前に立ち、リビングの窓から景色を見てみた。窓から見える東京はとても明るく、夜だと思えないほどの明かりだった。こんな綺麗な景色を見ながら、今日のこと思い出していた

坂下が由里を殴った理由。それはきっと別れ話からで、坂下が別れたくない気持ちを押さえられなくなり、由里に暴力という形で引き止めようとしたんだと思う

由里の体には異常はないけど、これから祐介くんとどうなって行くのだろう・・・

そして坂下は今、どんな気持ちでいるのか、気になってしまった

明日の朝、由里の所に寄ってみようと思っていた