「健太ぁー」

泣いてる私に驚いて、

「どうしたのよ!なんで泣いてんだよ!」

「由里が・・・由里が坂下に殴られて、今病院に運んだの。体があざだらけで、顔も殴られ・・・て」

「祐介連れて行くから待ってろ」

「うん。由里・・を助・・けてぇ」

「大丈夫だから待ってろ」

そう言って健太は急いで電話を切った

優香が私の背中をずっと擦ってくれていた

「亜美、泣かないで・・・」

優香も由里のことを心配してくれて、私のことも心配してくれている

「亜美」

健太と祐介くんが廊下の奥の方から走って来た

「祐介くん!由里が・・由里が・・」

「亜美ちゃん、由里を見つけてくれてありがとう」

そう言って、由里の病室に入って行った

「優香ちゃんだっけ?亜美のそばにいてくれて、ありがとな」

健太が優香にお礼を言った

「あっ、い、いいえ」

「亜美」

私は優香から健太に移され、頭を健太の胸に付け、座ったまま私を抱きしめてくれた

「由里ちゃんは祐介が来たからもう大丈夫だから」

泣いていて声が出ないので、うんと頷いた

「優香ちゃん、由里ちゃんどんな感じだったの?」

「は、はい。あの、亜美と由里ちゃんの家に行って、インターホン押しても出なくて。亜美がドアノブを回したら、ドアが開いていて、私と入ったら由里ちゃん倒れていて・・・それで亜美が由里ちゃんを抱えてみたら、顔と手も足も殴られて、あざだらけで、由里ちゃん救急車は嫌だって言ったんで、タクシー呼んでここまで来ました」

「ほんと優香ちゃんいてよかった。亜美一人なら気絶してたと思う」

「一人で由里ちゃんの所に行くって言ったんですけど、朝から携帯出ないって言ったんで、なんか様子がおかしいと思って、無理やり亜美について行ったんです」

「そっか。でも助かった」

「あ、はい」

「亜美、泣きやんだ?」

「う・・ん」

「ほら、涙拭いて」

健太は私の両頬を両手で挟み、顔を上げてくれて、よしよしと頭を撫ぜた