「ここなんだけど」

由里のマンションの玄関前まで来た

「押してみるね」

私はインターホンのボタンを押した。すごく緊張してドキドキしてしまう

でも誰の返事もなく応答がなかった

私は首を傾げながら、もう一度押してみた

やっぱり誰もいない。ふと思い、携帯を出し由里の携帯に電話をしてみた

すると中から携帯の音が聞こえている

由里が着信音を変えていなければ、この音は由里の携帯・・・

ガチャガチャ

ドアノブを回すとドアが開いた

私は優香と目を合わせ、入るよと合図をし、そっとドアを開けた。玄関まで入るとカーテンを開けていないのか中が薄暗かった

「由里・・・」

小さい声で呼んでみた

「由里いる?」

靴を脱ぎ奥へと進むとリビングに由里が倒れていた

「由里!」

私は走って由里の所まで行った。頭の中が真っ白になっていた

うつ伏せになっている由里の体の向きを変えると

「由里ー」

顔が腫れていて、あざだらけだった

「由里、由里」

私はショックと驚きと悲しみで泣きながら由里に抱きついた

「由里、起きて。目を覚ましてぇー」

「亜・・美」

「何があったの?坂下は?」

「逃げて・・・行っ・・・た」

「今、救急車呼ぶから」

「やだ・・・救急車だけは・・・やだ」

ひどい。こんなのひどすぎる。力のない由里を殴るなんて・・・

「亜美、タクシー呼ぶから」

優香が私に言った

「優香ありがと」

「由里ちゃんは大丈夫だよ。亜美が落ち着かなきゃ」

優香がいてとても助かった

「由里、私の友達の優香だよ。今、タクシー呼んでくれるからね」

私は由里の手をずっと握っていた。由里が一番辛いのに私が泣いてしまった

「泣かない・・・で亜美」

「ごめん。泣かないから。由里大丈夫?」

「う・・・ん」

すぐにタクシーが来て、私と優香で由里を運び出し病院へ運んだ

病院の待合室で私は健太に電話をした