やさしい手のひら・中編【完結】

「どう・・・して。どう・・・して」

ただ一人泣いていた

健太の冷たい目に私は傷ついた

初めて見た健太の鋭い目つき。昨日の朝まで普通だったのに・・・

やっぱり佐原樹里と一緒にいたの・・・?

それも聞けずに健太は行ってしまった

理由もわからないまま、私は暗闇の中に突き落とされてしまった

膝を抱え玄関で孤独に泣くしかなかった

泣き疲れて目が重たい

部屋の中は真っ暗で何時間ここで泣いていたのだろう

ゆっくり立ち上がりリビングに向う

ここにいると健太のことを思い出してしまう

優しい顔で私に笑い掛けるあの笑顔・・・

そして一度しか私を見てくれなかった冷めたい目・・・

「健・・・太ぁ」

次から次と涙が溢れる

健太のことを思うとこんなにも胸が痛い

携帯に電話をする勇気まなく時間だけが過ぎていく