やさしい手のひら・中編【完結】

ガサッ

新くんのことを考えながら私は眠ってしまっていた

外はすでに日の出の時間が過ぎ、太陽が少しだけ顔を出していた

時計を見ると5時を過ぎていた

窓からは潮の香りがして覗いて見ると散歩をしている人がいる

「健太が来る…」

もう健太はあっちを出ているはず。あと3時間ぐらいで健太に会える

嬉しいはずなのに、新くんのことを考えると複雑な気持ちだった

なんとなく体がだるい中、シャワーを浴び、準備をし朝食をとるためレストランへ向った

すでにみんなは朝食を食べていた

私は周りを目だけで見渡し探していた・・・

新くんを・・・

スタッフの人達と笑いながらご飯を食べている姿を見てホッとしてしまった

私は新くんから少し離れた場所に背中を向けて座った

何点か食べ物を持ってきたが喉が通らずお箸を持ったままボッーとしていた

「亜美ちゃん食べてないじゃない」

誰かに話し掛けられ顔を上げると田村さんが立っていた

「おはようございます」

「おはよう。具合悪いの?」

「いいえ」

「なんか顔色悪いわね」

「そうですか・・?いつもと変わらないですよ」

だるさはあったけど心配掛けたくないと思い、それは黙っていた

「川崎くん来るわね」

「あっ、はい」

「仕事だし、亜美ちゃん達のこと知らない人もいるからいちゃいちゃ出来ないけどね」

「そうですね」

私は笑って誤魔化した

監督さんも私達のことは知らないし、なるべく知られないようにしなくては・・・

「ちゃんと食べて、集合場所でね」

そう言って田村さんは行ってしまった

「はぁー」

ため息を付き、私はご飯を片付け、一度部屋に戻った