やさしい手のひら・中編【完結】

「準備完了よ」

私はロケバスから降りて、今日撮影となる海へ向かった

監督さんから立ち位置や、流れを詳しく聞き、いよいよ撮影開始となった

もらった台本を何度も読み頭にたたき込んだ

よし、頑張ろう

Blacksの曲が流れ、台本通りに私と新くんが歩き出す

私は緊張していて、思うように足が出ない

「カット!」

始まってすぐに監督さんに止められてしまった

「亜美ちゃん、固いよ」

「は、はい。すいません」

写真と違い動きを取られているという緊張でうまく動けない

「亜美、自然で行こう」

新くんがそう言って私の背中をソッと押した

私は「うん」と、頷き、また元の位置に戻る

「自然に、自然に…」

私は呪文を唱えるように何度も呟いた

何度か止められながらも午前中をクリアし、みんでお昼ご飯となり、私はロケ弁と言われるお弁当を頂き、暑さをしのぐため大きな木の下に座りお弁当を広げた