由里に健太とのことを言っていなかったため、私は由里に電話をし、今日の夜私の家へ来てもらうことにした

ピンポン

「はーい」

由里だということを確認し、玄関の鍵を開けた

「久しぶり。はい、お土産」

由里は私の大好きなプリンを買ってきてくれた

「学校どう?」

「うん、楽しいよ。優香っていう友達が出来たの」

「そっか。よかったよかった」

由里にコーヒーを渡して、私はテーブルの前に座った

「あのさ・・」

凌と坂下は仲がいいから由里には言いづらかった

「知ってるよ。慎から聞いた」

「えっ・・・」

「よかったね」

「怒らないの?」

「どうして怒るの?私はいつかこうなるんじゃないかって思ってたよ。亜美には言わなかったけど、空港行ったこと、私健太くんに言ったんだよね。亜美を見ているのが辛くって。その時、健太くんが亜美への気持ち教えてくれてさ。自信がついたら連絡したいって。健太くんの気持ち知ってたけど、亜美には言わなかったんだ。ごめんね」

「ううん」

「本郷、かわいそうだけど、好きな人同士はやっぱり一緒にいるべきだと思う。だから私はこれでいいと思うよ」

由里は私に優しく微笑んでくれて、私はホッとした

「健太くん元気だった?」

「うん、元気だったよ」

「でもさぁ、すごいよね。この東京で再会するなんて」

「私も会った時はほんとにびっくりした。まさかたまたま行ったクラブに健太がいるなんてねぇ」

「だよね。たくさんあるうちのクラブに行ったんだよ。すごいよねぇ」

「うん」

「今日、健太くんは?」

「スタジオを行って、徹夜かもって言ってた」

「芸能人だもんね」

「うん。なんか信じられないよ」

「やっぱ高級マンションとかに住んでるの?」

「すごい立派なとこで、窓から東京を見渡せてびっくりした」

「今、超売れっ子だもんね」

「うん」

「亜美、写真撮られないようにしなきゃね」

「そうだよね。平気で短大に来ちゃうから、気をつけないとね」

「そういうとこが健太くんらしい」

由里は健太のことを思い出したのか笑っていた