やさしい手のひら・中編【完結】

あれから何もなく、いつもと変わらない日々を過ごしていた

撮影当日、健太がスタジオまで送ってくれることになり

「準備できた?」

「ちょ、ちょっと待ってー」

私はもう一度荷物の確認をしていた

「あれ?ない!」

「何がない?」

「携帯の充電器!」

「ほら、キッチンのテーブルの上にあったぞ」

健太が見つけてくれて私は急いでバックの中へ閉まった

「もう忘れ物ないかな?」

「明日の朝まで連絡くれれば俺が届けるよ」

「あっ、そうだね」

健太は明日の朝早くに現場に着く予定だ

「亜美ちょっと来て」

ソファでタバコを吸っていた健太がタバコを消しながら私を呼んだ

私はソファの前まで行き、健太と向かい合った

座ったままの健太が

「ここに座って」

と、膝を叩いている

「うん?」

私は言われた通り健太の所に座ると

「キャッ」

私を簡単に抱き上げ、健太の膝へと抱き抱えられた