やさしい手のひら・中編【完結】

「だから?」

健太が言った

新くんは一瞬驚いた顔をしたけどすぐ真顔に戻った

「俺は亜美を信じてるから」

そう健太が言った瞬間、その言葉がグサッと胸に突き刺さった

健太は私と新くんがキスをしたことを知らない・・・

「そんなの俺には関係ないけど」

新くんは意地悪そうな顔で言い、私を見た

「行くぞ、亜美」

「あっ・・うん」

健太に手を引っ張られ車に乗せられた

私は窓からこちらを見つめている新くんを見ていた

車が発進し、新くんが遠くなっていく

寂しそうな顔で私を見ていた新くんの顔が私は辛かった

「いつ言われた?」

「えっ・・あ・・・」

佐原樹里と抱き合っていた時、新くんと会っていたことを言ってなかったんだ・・・そう思い

「ずっと前・・・」

「俺に気使ったの?」

「・・・うん」

確かに健太に言ったら気にする・・・と思い言えなかった

「さっきも言ったけど亜美を信じてるから」

二度も同じこと言われて、さらに私は苦しくなりあのことを言うべきなのか悩んでしまう

でも新くんも健太には言うなって言ってくれた

だから私は何も言わず、ただ「うん」とだけ返事をした

それから私達は晩ご飯を食べて帰宅した

その夜、私は健太に激しく抱かれた

今日の出来事を忘れさせるかのように、何度も何度も私に愛を刻んだ