「広いな」

凌はタバコを吸いながら、走って来て疲れた体を休ませていた

「はい、灰皿。凌専用ね」

凌のために買った灰皿をテーブルに置いて、私も凌の隣に座った

「走って10分で来れたわ」

「ほんと?でも私が走っても10分で行けないなぁ」

凌は笑いながら

「その前に亜美走れないから」

私の顔を見て笑った。私は口を尖らせふくれた

「自転車に乗って来い」

私の頭を撫で、微笑みながら

「何かあったらすぐ来るから」

心配するな、という顔で私に優しく言ってくれた

凌は私に近付き、腰に手を回した。私は目を閉じ、唇と唇が触れ合い、久しぶりに凌とキスを交わした

「ンッ」

長いキスのため、私の声が漏れてしまう。お互いに息をするのがやっとで、離れるとすぐ私は大きく息を吸った

「よし、帰るわ」

「えっ?」

「寂しい顔すんな」

「泊まっていかないの?」

私は凌の袖を掴み、思わず言ってしまった

「まだ部屋片付けてねぇし」

私の頭をポンポンと撫でた

「明日うちに来いよ。片付け手伝って」

「うん。午前中に行く」

「来る時メールして」

「わかったぁ」

「俺が出たらすぐ鍵閉めて」

そう言って凌は玄関に向かい、靴を履いて

「明日な」

私に軽くキスをし、帰って行った