やさしい手のひら・中編【完結】

「亜美が川崎さんにわかったって言えばそれで終わりだぞ」

私が別れないって言ったら、健太は戻ってくる?

私はそうは思わない

「こんな簡単に別れていいのかよ!お前らってそんなもんかよ!」

「凌…」

「こんなことで壊れるなよ」

凌は悲しい顔をしていた。私が凌と別れた日の時のように…

「電話貸して」

枕元にあった由里の携帯を取り、凌は携帯を開き携帯を耳に当てた

「本郷ですけど、今すぐ亜美のマンションに来れますか?」

「凌、ちょっと待って…」

「待ってますから」

そう言って携帯を切り由里に携帯を返した

「今から川崎さん来るから」

「ちょ、ちょっと待って、今すぐって…」

「お互いの気持ちをちゃんと話さないとわからないだろ。別れるなら会って話してからでもいいだろ」

凌は淡々と言い、

「寒いからなんか着とけ」

それだけ言ってリビングに戻って行った

健太が来る。私の心臓はドクンドクンと大きな音を立てて騒いでいた