やさしい手のひら・中編【完結】

新くんとおしゃべりをしていたら、あっという間に夕方になり私は帰ることにした

「寒いから俺のジャンパー着て帰れ」

新くんが私の前に立ち、新くんのジャンパーを羽織ってくれた

「ありがと」

そして新くんは私の目をじっと見つめている

「うん?」

「あのさ…」

「どうしたの?」

新くんは私の左腕を掴み

「いや…なんでもない」

私から目を反らし違う所を見ている。でも私の左腕を掴んだままで…

この沈黙をどうしたらよいのか困っていると

「行こう」

と言って手を離してくれた

私が荷物を持って玄関に出ると

「荷物持つから」

私の手から荷物を取り持ってくれた