朝一番早くの飛行機に乗るため、私と健太は空港へと来た

平日ということと朝早く来たということもあってか、いつもの空港の人混みではなかった

健太は今日のために髪の毛を黒くした。髪が黒いだけで不陰気がぜんぜん違っていて、そういう優しさが私には嬉しかった

「黒いのも似合うよ」

と言うと、照れ臭そうにフッと笑った

でもキャップを深くかぶっていてもやっぱり背が高いことと、このかっこ良さですれ違う人が「あっ」という顔をして見ていた

それでも健太は気にもせず、私の手を握ってくれている

「早いとこ飛行機乗りたい」

ロビーの椅子に座って足を組みながら、下を見て呟いた

「あとちょっとだよ」

手続きの案内がまだ流れないため、時間が来るのを待っていた

30分ほどで飛行機に乗れて、いよいよ函館へと出発となった


「着いたー」

函館に着き、外に出て大きく息を吸った。きれいな青空にきれいな空気。東京と違い、透き通った感じがする

「まず、ホテル行って荷物置こう」

タクシーに乗り、ホテルへ向った

修学旅行とは違い、高級ホテルを予約してくれていた

「ここ?」

「そう」

私の荷物を持ったまま、私の手を引きホテルの中へ入り、チェックインを済ませ部屋へと上がった

「うわー」

とてもおしゃれな部屋で、函館の町が眺めて遠くには海が見えた

絶対高い部屋と思わせられるような物が飾ってあったりしていた

「ここ高かったよね?」

「俺が誘ったんだから、そんなの気にすんな。ここは芸能人が来たらよく泊まる部屋らしい。ちょっとセレブな気分だろ」

「私にはセレブすぎだよ」

健太がどれだけ偉大になったのか思い知らされる

「お腹すいてない?」

「うん、すいたー」

「よし、ホテルのレストラン行こう」