健太はギュッと私の手を握った

私はびっくりして思わず健太を見上げてしまった

そのまま手を引っ張り、スタッフやカメラマンのいる所まで連れて行かれ

「亜美がいつもお世話になってます」

みんなキョトンとした顔で私達を見て

「えっ?亜美ちゃんと付き合ってんの?」

「ちょっと、そうだったの?」

「うそー、高校からずっと?」

いろんな所から質問攻めで私がオドオドしていたら

「俺達付き合ってるんですけど、今はまだ公表できないんで見守ってくれればありがたいです」

「美男美女のカップルだな」

と冷やかされ恥ずかしくなり下を見ていた

「亜美をよろしくお願いします」

と、私のために頭を下げてくれた

「この世界は、嘘とデマで別れる人がたくさんいる。そんなことで別れないでくれよな。そして亜美ちゃんを不安にさせないこと」

スタッフで一番偉い、小西さんが健太に言った

「はい、十分わかっているつもりです。まだ撮影残ってるんで戻ります」

そう言って私と健太は小西さんから離れ、スタジオの端に来た

「亜美、帰り終わったら電話して。終わる時間一緒だったら一緒に帰ろう」

「うん。健太怒ってるの?」

「怒ってないよ」

「だって・・・」

「新にムカついただけ。亜美は悪くないから」

フッと私に微笑みながら笑ってくれた

「何かあったらすぐ電話すること。約束して」

「約束する」

「じゃあ、俺戻るから」

「頑張ってね」

健太は自分のスタジオへと戻って行った