リンがニコッと笑って答える。


「いいよ無理しなくて。また電話くれる?それじゃ!」


車を少しバックさせ一旦止まってこっちを振り返ったリンの顔は、笑ってたけど淋しそうだった。


「バイバーイ!部屋片付けろよー!」


苦笑いしつつ手を振り見送った車のテールランプが、すぐに見えなくなってしまう。


今別れたばっかりなのに、もう会いたい。声が聞きたい。


リンの笑顔を思い浮かべながら俺は一人静かに部屋へと戻った。


一面真っ白になってる事も忘れてしんみりとドアを開けた瞬間、風圧でザザザッと更に散らばるティッシュ、ティッシュ、ティッシュ。


「うわ!どーすんのこれ!?寝る場所すらない!」


その夜俺は意外とフカフカして心地よいティッシュの波に、自ら綺麗に飲み込まれていった。