「はい!数えます!……1、……2、……3、…………8。……長い、ですね」


左眉をピクッと動かすリンの癖を確認した俺は、両膝に視線を落とした。


「……すみません」


リンはフーッと煙を強く長く吐き、煙草を四角いピンクの灰皿にギュッと押し付けた。


そのフーッて、苛付いてる時にしか出ない煙の吐き方だよね。


両膝しか見てない状態で敏感に察知する俺。


「私さ、君が楽しんでる時ずっとモリゾーと二人で飲み物のオーダーや他の子達のフォローばっかしてたんだよ」


出た!「君」だ!怒ると名前じゃなくて君って呼ばれて妙な距離感もかもし出される!