顔も体も普段の声も完璧に女だった早紀。


もちろん体の関係を持ってたけど、なんせほぼ経験値ゼロの俺だったから不自然さを感じる事もなく。


その知り合いに聞いた話によると、早紀はまわりにひたすら事実を隠し女として夜の店で働いてたらしい。


あまりのショックに多少の事ではダウンしない俺が数日寝込んだ。


いろいろ考えて迷った揚句、いくらなんでもこれだけはリンには言えないと苦渋の決断。


だから俺はこれからも早紀は女だったと嘘を付き続けるしかない。


非常に微妙な嘘だけど。現代の医学がこんな凄い事になってたなんて知らなかったけど。


リンと出会うまでの自分の人生って一体何だったんだろうと、恐ろしさすら感じてしまう出来事だ……。



そんなわけで悲しい事にこれからも。



俺の嘘は、



不滅なわけなんだ。





END。