さ、酒!?酒って何!?ここは江戸!?そんな物で消毒されたら俺は一体どうなるのよ!


「ちょっと阿部さん!いいからっ、ちゃんとしみない塗り薬あるから!」


「アホか!いいからじっとしとけ!ボケ!」


阿部さんは凄みのある顔でとても楽しそうに鋭い目を輝かせ笑ってる。


悪魔がいる!いや、太った死に神だ!


どこかから発見された日本酒の一升瓶が、簡単に阿部さんの手に渡されてしまった。


微妙にヤクザに絡んだ強面の阿部さんに文句を言える奴は、付き合いの長い俺の他には誰もいない。