「ちょっと!いらないから!もう部屋行くんだから置いてきなさいよ!」


物凄く不満げに口をムニッととがらせ、名残惜しそうに売店を後にするリン。


これは後で無理矢理買わされかねない。気を付けよう……。


そして俺達は仲居さんに案内されて、六畳の和室が二間続く広い部屋へと通された。


「わー、やっぱ広い部屋にして良かったね!うはっ、高そうな花瓶!うわわっ、雪やんできてこっちの部屋から湖見えるよ!あーっ、お城が浮いてるー!」


完全に子供化してる。騒がしいけど、やっぱ可愛い。


仲居さんもリンの言葉に小さな声を出して笑ってる。