「ぐぬっぶふっうぐううーっ」


俺は唯一まともな布団の上で堪え切れず泣いた。


堰を切ったように流れ出す涙が顔を覆った右手から溢れる。


「リンー、俺はずっと一緒にいたいよぉ。許してくれるなら何でもしますぅ」


仰向けに寝たまま、リンに拒絶された現実に恥も外聞もなくむせび泣く。


俺は「好き」という感情の想像を遥かに超えた強大な力に激しく翻弄されていた。


喜びと感動の裏側に潜んでたのは、未曾有の恐怖。


大切なリンに必要とされなくなった俺は一体どうなる?


24年かけてやっと出会えたリンに容赦なくバッサリ縁を切られたら……。


「縫うー、俺は何とかしてその縁を全力で縫うー。どうか縫わせてー」