そして忌ま忌ましそうにシッシッと華奢な手を振るリン。


……打ち切られた。もう粘る気力も乏しい。


その場でガックリとうなだれて、俺は微かに頷いた。


「……はい。連絡待ってますので……」


痺れかけた足に力を入れてノソッと立ち上がり、玄関へのドアをゆっくり開け、最後にすがるような視線でリンの方を振り返る。


座ったまま俺の様子をチラッと見上げたリンを見て、俺はやっと気付いた。


リンの瞳は身震いするほど強く光ってるのに、その奥には危ういくらいの脆さがじんわりと滲んでる事を。


怒りの中にある隠された感情をくみ取れなかったモヤモヤが一気に晴れていく。