「じゅ…十七よ」

話しかけてきた男は、ものすごく美しい顔立ちだった。

私は思わず見とれてしまう。

「……なんだ?俺の顔に何かついてるのか?」

「……いいえ、ごめんなさい」

綺麗な男……。
女でもめったに見れないほど整ってる。

だけどこんな女に不自由してなさそうな男が買いに来たの?

「…今日は娼婦を買いに来たの?」
格子越しに私から話しかけてみる。

「いや……ただどんな女がいるのかと思って…」

男は私の左右も見ながら言った。

「…遊廓に来るのは初めてなの?」
「…ああ」
「それで、感想は?」
「……」
私が上目使いに男を見つめる。
「…綺麗な女がたくさんいた。…特にお前がな」
「でしょうね」
私は得意気にフフンと鼻を鳴らす。