しかし、このオーディションを逃せばチャンスは二度とこない。
<使えない奴はいらない>
そんな世界だったんだ…
怪我が治るのを待ってくれるほど甘い世界じゃなかったんだね。
龍斗は二日間ずっと考えた。
悩んで悩んで、答えを出さなければいけなかった。
このままオーディションを受ければ怪我が悪化するかもしれない。
だけどオーディションを受けずに怪我を治すことを選べば、結局学校にも行けなくなる。
レッスンを受けることすらできない。
どちらにしろ龍斗の夢はなくなろうとしていた。
東京に出てきてまで掴もうとした大きな夢。
たった二日で答えが出るの?
でも無理矢理にでも答えを出さなければいけない。
刻一刻と時が過ぎていく…