Dear HERO[実話]



そんな龍斗に目を奪われながらも、頭の中ではずっとネックレスのことが気になっていた。

今日こそは渡さないと…



「あの…龍ちゃん?実はクリスマスプレゼントがあるの…」


そっと顔を覗き込む。



「えっ?」


驚き、私の顔を見つめ返す龍斗。



「ごめんね。ほんとはクリスマスの日も持ってきてたんだけど渡せなくて…」



「おまえ、クリスマスのときに渡せよ~」



龍斗に言われ、申し訳なく下を向いた。



「ごめん。だって…」


ちょっと困らせるためにからかったのに、本気で落ち込む姿を龍斗は笑顔で見つめていた。



「これ…プレゼント……」


そう言って、あの時買ったプレゼントを手渡す。


黒い箱に真っ赤なリボン。

龍斗がラッピングされた箱を開ける姿をじっと見つめた。