Dear HERO[実話]



飲み会から数日後 ―――


~♪~♪~♪


ベッドの上に置いていた携帯が鳴り響く。

画面を見ると【榊 龍斗】の文字が表示されていて、それを見るだけで笑顔になってる自分が居た。



「もしもし…」



だけどやっぱりまだ緊張してしまう。

うまく喋れているのか分からない。


そして話題は自然とこの前の飲み会のことになっていた。

どうやらあの後のカラオケも普通に盛り上がったらしい。

歩美と貴久が居たんだから当たり前か…




「凛ちゃんも来ればよかったのに…」



龍斗にそう言われ、私は自分もその場に居たことを想像した。


少しは龍斗と話せただろうか…

一言も話せなかったとしても龍斗との思い出が一つ増えたはずだ。

あの後一緒にカラオケに行った歩美がちょっと羨ましくなった。



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しばらく会話をするが、その間龍斗の口から莢香の名前は一度もでてこない。

だからあえて私も莢香の名前は出さないことにした。