“手を抜きたくないんだ”
ヒーローショーをしていることを教えてくれたとき、私にこんなことを言っていた。
それは龍斗が夢にかける強い思い。
「ショーに出てる奴の中には形だけ見せて手を抜いている奴もいる。殴られたらわざとらしく倒れて…適当に合わせて動けばいいと思ってやってる奴もいる。でも俺は、真剣に体当たりでやっていきたい。殴られたらステージから落ちるくらいの勢いで真剣にやりたいんだ」
そう話す龍斗の目は興奮する思いを抑えられないでいた。
そしてその言葉どおり龍斗の目は真剣で、迷いなんてなかった。
殴られても蹴られても、真っ直ぐ立ち向かっていく。
スタントマンを目指していた龍斗。
ずっと追い続けた夢。
怒鳴られ殴られることに耐えてきた日々。
いつか夢を掴むと信じて……

