Dear HERO[実話]



14:00 ―――


ステージ上に、今日のショーを進行するお姉さんが立っていた。

ミニのワンピースにブーツを履いた可愛いスタイル。

片手にマイクを持って、満面の笑みとあの独特な声で子どもたちに声をかける。



「こんにちは~!」


「「こぉ~んにちはぁ~」」


お姉さんに向かって返ってくる元気な子どもたちの声。

目をキラキラさせながら、今か今かとヒーローの登場を心待ちにしている。



母親の膝に座る子どもたちの姿を見つめながら、今にも涙がこぼれ落ちそうになるのを堪えた。



見たくない……


逸らしたいのに、しっかりと見開いているこの目を恨んだ。


見たくないんだよ……




龍斗は少しずつステージに一番近いところまで移動していた。

子どもたちにばれないようにそっと……


そんな龍斗の姿を目で追い続ける。