Dear HERO[実話]



今まで私が見てきた龍斗の後ろには、いつも暗い夜の空が広がっていた。

月が照らす切ない夜空。


でも今日は違う。

龍斗の後ろに見えるのは明るい陽射し…
太陽の光を際立たせる優しい青空。


広くて暖かい世界が包み込んでくれる。

太陽の陽射しがさらに龍斗を強く見せた。



眩しい光に目を細めながらも、龍斗を見つめるその瞳を逸らすことができなかった。

何度も龍斗に視線を送る。



…龍ちゃん……

……龍ちゃん………


ドキドキと心臓だけが先走る。


自分と龍斗のところにだけスポットライトが当たったかのように、他は何も見えない。

周りは真っ暗に感じた。



しかし龍斗はスタッフと話していて、私に全く気付かなかった。

この数メートルの距離は想像以上に大きかったんだ。


太陽に照らされた龍斗の笑顔が私の心を締め付ける。



気付いて……

ねぇ龍ちゃん……


…私はここに居るよ。



こんなにも近くに居るのにただ見つめることしかできない。