Dear HERO[実話]




「凛?」



顔を上げようとしない私を覗き込もうとした。




「………」



「凛どうした?顔上げてよ…」




できないよ…

顔を上げたら龍斗を困らせてしまう。


無言で首を横に振った。

その間も確実に二人の時間は過ぎていく…





「…凛?」



その優しい声がまた私を狂わせてしまうんだ。





「……もう……調子狂うよ……」




握られた手は震えていた。




「えっ何?調子整えてきたの?」



そしてまた顔を覗き込もうとする。


龍斗の言葉に私は一度だけ深く目を瞑った。



大丈夫……

そう自分の心に言い聞かせながら…。

そしてゆっくりと顔をあげた。