トントン…



そんな私の肩を誰かが叩いた。



「………?」


絵里と思い振り返ると、そこには絵里を挟んで手を伸ばす龍斗が居た。



……え?



絵里も不思議そうに龍斗を見ている。


どういうことかわからず、私も絵里と同じ目で龍斗を見返した。




「ちょっと外に出ない?」



大音量の音楽が室内に響く中、龍斗の声が聞こえてきた。

その瞳は私に向けられている。




「…え?あ…うん……」



何がなんだかわからなかったけど、それでも誘ってくれているということだけは理解した。



もちろん部屋にいた数人はその光景を見ている。

貴久と歩美は一緒に歌いながらも、目線はこっちに向けられていた。



同じように不思議そうな目で……



そんな視線を浴びながら、私はみんなの前で誘われたのが嬉しくて恥ずかしくて胸がドキドキしていた。