Dear HERO[実話]



~♪~♪~♪



「………!」



【 着信中  榊 龍斗 】


龍ちゃんだ…

自分の携帯に表示されるその名前が嘘のような気さえした。




「もしもし…」



「着いたよ。どこにいる?」



「えっと車の中…ちょっと待って降りてくる」



片手に携帯とバッグを持ってドアを開けると、龍斗の姿が目に入った。

お互いの姿が目に入っても笑顔を出すことができない。


それどころか私は、龍斗の顔を見ることさえできなかった。




「久しぶり…」


それが最初にでてきた言葉。

弾まない会話にお互い緊張しているのが分かる。



目の前に龍ちゃんがいるなんて夢なんじゃないか…

そんなことを思う。