壱春に会うため車を走らせる。
着いたときには夜の10時を回っていた。
仕事を終え、そのまま待ち合わせ場所にやってきた作業着姿の壱春。
いつもとは違う姿が新鮮で余計に緊張した。
お互い駐車場に車を停めると、自分の車のほうへ乗るように壱春に手招きされた。
優しく微笑む壱春の目にほっとする。
「はい…これ……」
チョコレートの入った紙袋を手渡した。
「ありがとう。えっ何これ…」
壱春が反応を示したのは、チョコレートと一緒に紙袋の中に入れていた洋楽のCD。
「まじで?いいの?」
嬉しそうに手に取って袋から出す。
その様子を見てると胸がほわっと暖かくなる。

