Dear HERO[実話]



壱春もマメに連絡をくれた。

それでも会える時間が増えたわけではなかったから、その限られた時間はとても大きなものだった。


映画を見に行ったり、買い物したり…


そして初めて二人きりで朝まで一緒に過ごした。


朝起きたら隣に壱春が居る。

スヤスヤと眠るその寝顔はとても可愛く見えた。



でもそれは幸せに浸れる最初で最後のお泊まりデート。

そう最初で最後…


ほんの少し前に感じた壱春の腕の安心感はそう長くは続かなかった。



そして彼と会った最後の日。


その日は恋をするすべての女性が勇気を出す日。

バレンタインデー…


私もその日が待ち遠しかった。