Dear HERO[実話]





「うん、いいよ…」



それでもいい。
誰にでも弱さはある。

弱さを知っているからこそ人は強くなれるんだ。


壱春の目をしっかりと見つめ返す。

そんな私を引き寄せ、壱春はぎゅっと強く抱き締める。

そして「これ、誕生日プレゼント…」と言ってあの日買ったプレゼントを渡した。



壱春と別れ、車を走らせているとメールの受信音が鳴った。

それは数ヶ月ぶりの壱春からのメール。



= 受信 =

 To:凛
From:壱春

【プレゼント本当にありがとう。俺が言うことは、これからもよろしく。隣に居て下さい】



見た瞬間、自然と顔が綻ぶ。


うまくいくと、今度こそ大丈夫だと思っていた。

お互いの気持ちを確かめ合った二人は、これまでにないほど求め合っていたから。